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ピアノ四重奏コンサート@ムジカーザ(代々木上原) [クラシック]

チェロの先生が参加するピアノ四重奏団、スピーガ・カルテットの演奏会を聴きに行きました。会場は代々木上原のムジカーザ。

http://www.musicasa.co.jp/index_02.html

結成後初のコンサートとのことで、先生もほかのメンバーもやや緊張した様子で始まり、シューマンのピアノ四重奏曲、マーラーのピアノ四重奏曲断章、ブラームスのピアノ四重奏曲第1番を演奏されました。シューマンはオケ曲でもオーケストレーションが平板であまり好きでないのですが、この曲もそんな感じでした。特にチェロとピアノをユニゾンにしていることが多く、せっかくの先生のチェロの音をあまり楽しめませんでした。しかしマーラーは、若書きの未完成品ながら、マーラーらしいメロディやら展開やらがそこここにあり、とても面白く聴くことができました。ブラームスは、かなり難しい曲だと思いましたが、特に後半の2つの楽章は、練習がよくできておられたのかあったまって本格的にエンジンがかかったのか、アンサンブルががちがちとかみ合い、室内楽の醍醐味を感じさせてもらえました。先生、お疲れ様でした。

実はこのムジカーザというホールにもとても興味がありました。事前にホームページで見たところ稼働率が高く都内屈指の人気ぶりだそうです。音響設計はサントリーホールや紀尾井ホールなどあまたの名ホールを手がけた会社で、残響時間も記載されています。演奏会の音楽監督である飛鷹佑依さんがあいさつでおっしゃったところでは、全国のコンサートホール・ランキングで2、3番に入っているとのこと。
演奏者と同じフロアに客席の半分以上、2ヶ所の中2階と2階に若干の座席をそれぞれ並べて、客席数は100ほどの小さなホールでした。床は木ですが、壁はコンクリートの打ちっぱなし。天井はコンパネ風の穴の開いた天井材に見えました。ホール奥側の壁面には音響調整用木材が配置され、スタジオ風の場所でした。
音は、演奏者との距離がとても近いこともあると思うのですが、楽器の素の音がそのまま耳まで飛んでくる感じで、余計な付帯音を感じることがありませんでした。先生のチェロは音楽教室で聴いていたのと同種の音がそのまま聴こえてきました。特にピアノの音がクリアでクリーン、きれいでパワフルに聴こえ、相性が良いように思いました。逆にバイオリンの音はちょっととんがって聴こえやすい感じで、必ずしも心地よくありません。また弦楽合奏も溶け合うというよりはそれぞれの音がしっかり分離して聴こえるので、良し悪しかと思いました。
コンサート前半でアンサンブルの精度がちょっと乱れたあたりなどは何やってんだか、ってな感じに聴こえ、ごまかしがない分しんどかったのですが、終盤の絶好調の演奏では、丁々発止と切り結ぶ感じが良く出て、カルテットとしては稀なほどの痛快さでした。つまり演奏の良し悪しもとてもストレートに伝える、ある種大胆、奏者にとっては空恐ろしくもあるホールと言えましょう。

このホール、魅力的なプログラムが今後も用意されているようなので、行ってみたいと思うのですが、人気のためか、客席数が少ないためか、チケットは安くはありませんでした。うーむ。
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