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オーディオ的快感満載の「ミューザ川崎シンフォニーホール」 [クラシック]

音が良いと評判のミューザ川崎シンフォニーホールに初めて行きました。ユベール・スダーン指揮東京交響楽団にレイ・チェンのバイオリンでシベリウスのバイオリン協奏曲とブルックナー交響曲第4番でした。

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ワインヤード型なのですが、らせん状になっているフロアに客席が配置されています。つまり座席の足元のフロアが斜めなんです。さすがに椅子は水平を保っているようですが、これ、ものすごいコストがかかっているんじゃないだろうか。それに、らせん状になっていることは音響上の意味が果たしてあるのだろうか?謎です。
変わった形のため、あちこちに椅子の置けない、ある種無駄なスペースがあり、たっぷりした空間に見えるのですが、座席数は2000席弱にとどまります。ホールを取り巻く通路も不思議なアップダウンがあったり、狭かったりします。そのためか誘導係が通常よりも多いように思いました。作るのも金がかかったろうけど、運営も大変じゃなかろうかと心配になりました。

で、ホールに入って着席すると、音の良いホール独特の心地よさがあります。指揮者が入場して拍手になると、「あ、これはいい音だ」とすぐにわかりました。拍手のアタックと残響が両方ともに心地よく聴こえました。
そして、バイオリン協奏曲の最初のトレモロ、音がやせることなく、ピアニシモでもしっかり耳に届き、直接音と残響のブレンドがすばらしい!続くバイオリンソロも、つややかな音がしっかりと耳に届きました。フォルテになると音の粉が飛び散るさまが見えるようです。(おおげさ)
小さな音がやせず、大きい音がうるさくならず、それぞれがとてもクリアに聴こえるのにしっかりブレンドされた響きも楽しめるという、驚くような高次元の音響が達成されていました。生演奏でこれほど良い音を聴いたのは初めてかもしれません。むしろ、最良のワンポイント録音のバランスを崩さないように補助マイクが使われた名録音のような、オーディオ的快感あふれる音だと思いました。
バイオリン協奏曲を堪能し、アンコールでパガニーニのカプリースから1曲。レイ・チェンはすばらしい演奏を聴かせてくれ、パガニーニも含め、音響的には最高に良いという印象のまま、前半が終わりました。

後半のブルックナーは、CDを聴く限りはあまり好きな曲ではないのですが、生で聴くとさまざまなパッセージの意味やら作曲家が狙った音の変化やらがクリアにわかり、けっこう面白かったです。ブルックナーのフルオケによるフォルテシシシモの音響にひたるのも、大きな快感でした。ただし、特にペットやボーンのフォルテが終わった後の響きの消え方は、少し人工的な響きが感じられて、唯一好きでない音がしました。技巧を尽くして作られた現代のホールだと感じさせられた瞬間でした。
私は2階席で聴いたのですが、1階よりは2階ないし3階のほうが響きが良いように思いました。また、ステージ後ろのパイプオルガンの前だとどんな音がするのかも聴いてみたいと思いました。2階以上だとステージを見下ろしているので、水平となる1階よりは音がまっすぐに飛んで来る上、上からの残響も来ます。また、ステージとの直線距離は意外と短いのも、効いている気がしました。

それにしても、箱が良く、曲目も演奏も良く、値段もS席で6000円までなのに、空席が目に付いたのは解せませんでした。ウィーン・フィルやベルリン・フィルのコンサートもあるとのこと、良い音のホールには、にぎわって欲しいものです。また来たいですが、墨田トリフォニーとかみなとみらいとかに行くほうが先かな。
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