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ブラボー、N響。ブラボー、ジークリンデのエヴァ・マリアさん。 [クラシック]

ゲージツの秋、N響定演を聴いてきました。指揮はエド・デ・ワールト、はじめに演奏された武満徹の「遠い呼び声の彼方へ!」と「ノスタルジア」という2曲は、まあ面白いといったところでした。

後半はお目当てのワーグナー「ワルキューレ第一幕」の演奏会形式上演でした。とても素晴らしかったのはジークリンデ役のソプラノ、エヴァ・マリア・ウェストブレーク。バイロイトやメトでもジークリンデを歌っているとのことですが、声が美しく発音も明瞭、そしてパワフル。N響のフルオケのフォルテに乗って美声がNHKホールに響き渡りました。実は、ワーグナーの女声を生身の人間が歌うのは不可能ではないかと常々疑っていたのですが、この人をみて可能であるとわかりました。
デ・ワールト指揮のN響も負けず劣らず、素晴らしく緻密で迫力のある演奏。まるでドイツのオケのようで、ワーグナー独特のうねり感をしっかり出していました。藤森さんのソロをはじめ、チェロパートが素晴らしく良い仕事をしているように思いました。
それと、フンディング役のエリック・ハルフヴァルソンも実に渋い美声のうえ、音程が極めてしっかりしていて本当に良かったです。惜しむらくはジークムント役のフランク・ファン・アーケンが風邪でもひいているのか、聞き苦しく、声量も足りなかったことでした。この弱点がなければ、大変な名演になっただろうにと思いますが、でもかなり堪能させてもらいました。何せワーグナーをこの水準と料金で楽しむチャンスはなかなかありませんからね。ほかの客の多くも同じ思いだったと思います。ブラボーの嵐で、かなり長く拍手が続きました。1月にBSで放送予定とのことなので、必ず録画しようと思います。
NHKホールは初めて行きました。音が悪いと定評があるので、ネットで色々調べたところ、直接音がよく聴こえる前列が良いなどとありました。声がしっかり届くところが良いと思い、前から2列目の上手寄りに座りました。(でもジークリンデの声なら3階までもちゃんと届いていたんではないかなあ)デッドで楽音を美しくくるんではくれないので、オケは大変だろうと思います。こき下ろさなくてはならないほどにひどい響きではないものの、この水準の演奏なら、もう少しマシな箱でやらせて上げたい気はしました。

久々の実演、とても堪能しました。この冬はほかのコンサートにも、行きたいものですな。
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