SSブログ

ヴァイオリニストの山根一仁を聴く [クラシック]

きょうは府中の森芸術劇場で開かれたコンサートを聴いてきました。

前半は山根一仁さんという16歳くらいの若いヴァイオリニストのソロでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、バックは金聖響指揮、日本フィル。山根さんはとても歯切れのいいリズムと魅力的な音色で長い曲を弾ききり、すばらしかったです。特に低い音の妖しげな魅力が印象に残りました。客席からはブラボーが連発されていました。アンコールのクライスラー「レチタティーヴォとスケルツォ」もとても良く、広いホール中に美音が響き渡っていました。

後半は、マーラー交響曲第1番。ところがこれはとてもがっかりさせられました。オケの出だしがあちこちで合わなかったことがひとつ。それから、どんなリズムで演奏するかが全然徹底されていませんでした。たとえば3楽章の葬送行進曲は、コントラバスのソロはわりと早めのインテンポでしたが、それを受けたチェロの旋律は気持ち遅めで粘り気味、なのに管が入ってきたらまたインテンポ。結果として、どんな音楽を奏でたいのかよくわかりませんでした。個々の奏者の技量は高いのですが、フィナーレは拡声器がうるさい運動会のような印象で、終わっても拍手する気になれませんでした。準備不足なのか、何なんでしょう。
もっとも私としてはこの曲はマーラーの「若書き」と言うと聞こえは良いものの、いろいろ実験を試みて作品としては未完成な習作だと思っていて、マーラーの中で唯一好きになれない曲なので、よけいに印象が悪かったのかもしれません。

それからこのホール、先日聴いたときに1階席より2階席がよかったので、今回も2階席にしたのですが、どうにも音のバランスが悪いです。特に前面に展開する弦セクションと比べて中央から後方に位置する管セクションの音量が、そこだけPAを仕込んだかと思うほど大きく聴こえました。バスクラリネットの音が弦楽器群を覆うほど大きく聴こえたのは初めての経験でした。前半のヴァイオリン協奏曲でも、フルートソロとヴァイオリンのかけあいなのに、フルートが完全にメインに聴こえて困りました。

そんなこんなで、S席5000円だったけど、1000円くらい返して欲しくなりました。残念。でも同じ場所にある中規模のホール、その名もウィーンホールはもう少し音が良いと聞いたことがあります。来月にはライナー・キュッヒルも演奏するので、聴きにこようかな。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。