結論はカルロ・ジョルダーノSC-240 [チェロ]
きょうは都内のあるお店で試奏させてもらいました。「銀座のお店でカルロ・ジョルダーノSC-200にヤーガー、スピロコアの弦をつけた15万円あまりのセットがとても良かったのですが、同じメーカーの上級機種であるSC-240とSC-300も試奏したいのです」と相談したところ、「在庫はないけど200、240、300の3つを取り寄せて試奏してもらうことができます。気に入らなければ買わなくても費用はかかりません」と提案をいただいたので、日時を決めて試奏に伺った次第です。これが先の書き込みで「しかけ」と書いたものです。
試奏したのは、以下のとおりです。
・カルロ・ジョルダーノ SC-240
・カルロ・ジョルダーノ SC-300
・イーストマン VC-501(お店側の推薦)
・カール・ヘフナー #8を2台
参考に、
・アントン・プレルの1番(教室で使用中)
・グリガの2000年モデル(教室で使用中)
弓はお願いしたアルコスのニッケルほか、いくつかを用意していただきました。
お店では事前にこの店で行っているチェロ教室の先生に試奏してもらったところ、カルロ・ジョルダーノSC-200は論外とのことで、あったのですが弾かずじまいでした。先生いわく、はじめはSC-300が良いかと思ったが、しばらく弾いた結果、お勧めはSC-240とVC-501のふたつ、伸びしろとコスト・パフォーマンスを考えるとSC-240が良いのでは、とのことでした。
実際に弾いてみると、自分でもこの2つが確かに良いと思いました。SC-300は、なぜか少々音がくすんでいました。カール・ヘフナーの2台はいずれもさらにくぐもった冴えない音で、ひと弓で駄目だと思いました。って、ほぼ開放弦しか弾けない奴に言われる楽器の人権?は考慮していない記述です。ほかでは鳴らしこんでいたおかげか、グリガがけっこう良いと思いましたが、今の商品とはだいぶ質が違うのではないかとのことでした。
さて、カルロ・ジョルダーノSC-240とイーストマンVC-501。
好みの音はVC-501でした。高音域の音が深みがあって低音域の音がとても良く響きます。SC-240は、山野楽器で試奏したSC-200よりもちょっと良いかな、と思う程度でしたが、弾いていくうちにどんどんよく響くようになって驚きました。これは弾きこめばかなり変わるかもしれないと思いました。
あとは、しょせんはろくに弾けないわが身が選ぶことなので、今と、かりにちゃんと弾けるようになった将来とで判断が変わる可能性もあり、あまりコストをかけないでおきたいということも思いました。SC-240は弓とソフトケースがセットになった「アウトフィット」なので最低限、弓もあって19万2000円。対するVC-501は本体のみで24万3000円ほどにプラス数万円の弓が必須です。出せなくはないけど、できることなら出したくない金額でした。
もうひとつ、大きな判断材料は外観です。VC-501は、アンティーク仕様、つまり使い込んだ名機の趣を演出するため、濃い色合いになっており、ニスの塗り残しとか傷とかもわざとついているような仕上げです。他の人から「それ、どんな由来の楽器?」って聞かれることもありそうです。しかし要するに安物なのに、あるいは安物だからこそ、そんな仕上げにしているのは潔くなく、自分で持つことには抵抗を覚えました。SC-240もそういった方向が少し入っていますが、基本は新品の仕上げで、ちょっとニスがテカテカしているといった外観です。外観だけで言うなら素直に新品らしいSC-300やカール・ヘフナーが良かったのですが、音がダメなので話になりません。
音と外観と価格を考えた結果、カルロ・ジョルダーノSC-240の購入を決心しました。事前には、安いほうのSC-200にとどめるか、同ブランド最高級のSC-300にするか、どちらかの可能性が高いと思っていたのですが、意外な結論になりました。ただ今回選ばなかった製品も、個体差も大きく、一概には判断できないとのことでした。難しいことです。
弓は、銀座でも試して印象の良かったアルコスのニッケルを買うことにしました。付属品はダメではないものの、比べると明らかに切れが違いました。弦楽器の世界って、この積み重ねなんだよねえ。
いろいろとけっこうなオマケをつけていただいたりして、価格も勉強してもらい、これなら趣味の支出として適正範囲の費用対効果になったと思います。きょうは弓だけ持ち帰り、品物は職人さんによるメンテナンスを経て後日配達してもらうことにして、およそ3時間近い品定めを終えました。結論から言うと、やっぱり先生の暗示にかかっちゃったのかも。
2ヶ月余り前から使ってきたわが激安チェロは、手放すことにします。その前に、アルコスの弓で弾いたらどれくらい違うかなと思って帰宅し、チェロを見たら、あれまあ。先日張り替えたC線が緩んで駒から外れています。手放されると知った悲しみをこのような形で表現したのでしょう、たぶん。その上にですね、恐る恐る直してアルコスの弓で弾いたら、けっこう良い音がしました。あれあれ??? これなら買い換えなくても良かったのかしら???
もひとつ気がかりは、私の先生です。以前、中国製は中国の音がするから勧めない、とおっしゃってましたので、この生徒は言うこときかんな、と思われないか、ちょっぴり心配です。あした、話してみます。
試奏したのは、以下のとおりです。
・カルロ・ジョルダーノ SC-240
・カルロ・ジョルダーノ SC-300
・イーストマン VC-501(お店側の推薦)
・カール・ヘフナー #8を2台
参考に、
・アントン・プレルの1番(教室で使用中)
・グリガの2000年モデル(教室で使用中)
弓はお願いしたアルコスのニッケルほか、いくつかを用意していただきました。
お店では事前にこの店で行っているチェロ教室の先生に試奏してもらったところ、カルロ・ジョルダーノSC-200は論外とのことで、あったのですが弾かずじまいでした。先生いわく、はじめはSC-300が良いかと思ったが、しばらく弾いた結果、お勧めはSC-240とVC-501のふたつ、伸びしろとコスト・パフォーマンスを考えるとSC-240が良いのでは、とのことでした。
実際に弾いてみると、自分でもこの2つが確かに良いと思いました。SC-300は、なぜか少々音がくすんでいました。カール・ヘフナーの2台はいずれもさらにくぐもった冴えない音で、ひと弓で駄目だと思いました。って、ほぼ開放弦しか弾けない奴に言われる楽器の人権?は考慮していない記述です。ほかでは鳴らしこんでいたおかげか、グリガがけっこう良いと思いましたが、今の商品とはだいぶ質が違うのではないかとのことでした。
さて、カルロ・ジョルダーノSC-240とイーストマンVC-501。
好みの音はVC-501でした。高音域の音が深みがあって低音域の音がとても良く響きます。SC-240は、山野楽器で試奏したSC-200よりもちょっと良いかな、と思う程度でしたが、弾いていくうちにどんどんよく響くようになって驚きました。これは弾きこめばかなり変わるかもしれないと思いました。
あとは、しょせんはろくに弾けないわが身が選ぶことなので、今と、かりにちゃんと弾けるようになった将来とで判断が変わる可能性もあり、あまりコストをかけないでおきたいということも思いました。SC-240は弓とソフトケースがセットになった「アウトフィット」なので最低限、弓もあって19万2000円。対するVC-501は本体のみで24万3000円ほどにプラス数万円の弓が必須です。出せなくはないけど、できることなら出したくない金額でした。
もうひとつ、大きな判断材料は外観です。VC-501は、アンティーク仕様、つまり使い込んだ名機の趣を演出するため、濃い色合いになっており、ニスの塗り残しとか傷とかもわざとついているような仕上げです。他の人から「それ、どんな由来の楽器?」って聞かれることもありそうです。しかし要するに安物なのに、あるいは安物だからこそ、そんな仕上げにしているのは潔くなく、自分で持つことには抵抗を覚えました。SC-240もそういった方向が少し入っていますが、基本は新品の仕上げで、ちょっとニスがテカテカしているといった外観です。外観だけで言うなら素直に新品らしいSC-300やカール・ヘフナーが良かったのですが、音がダメなので話になりません。
音と外観と価格を考えた結果、カルロ・ジョルダーノSC-240の購入を決心しました。事前には、安いほうのSC-200にとどめるか、同ブランド最高級のSC-300にするか、どちらかの可能性が高いと思っていたのですが、意外な結論になりました。ただ今回選ばなかった製品も、個体差も大きく、一概には判断できないとのことでした。難しいことです。
弓は、銀座でも試して印象の良かったアルコスのニッケルを買うことにしました。付属品はダメではないものの、比べると明らかに切れが違いました。弦楽器の世界って、この積み重ねなんだよねえ。
いろいろとけっこうなオマケをつけていただいたりして、価格も勉強してもらい、これなら趣味の支出として適正範囲の費用対効果になったと思います。きょうは弓だけ持ち帰り、品物は職人さんによるメンテナンスを経て後日配達してもらうことにして、およそ3時間近い品定めを終えました。結論から言うと、やっぱり先生の暗示にかかっちゃったのかも。
2ヶ月余り前から使ってきたわが激安チェロは、手放すことにします。その前に、アルコスの弓で弾いたらどれくらい違うかなと思って帰宅し、チェロを見たら、あれまあ。先日張り替えたC線が緩んで駒から外れています。手放されると知った悲しみをこのような形で表現したのでしょう、たぶん。その上にですね、恐る恐る直してアルコスの弓で弾いたら、けっこう良い音がしました。あれあれ??? これなら買い換えなくても良かったのかしら???
もひとつ気がかりは、私の先生です。以前、中国製は中国の音がするから勧めない、とおっしゃってましたので、この生徒は言うこときかんな、と思われないか、ちょっぴり心配です。あした、話してみます。
凄いですね~!!
初心者でここまで徹底したルポ?は珍しいのではないですか?!
とても参考になりました・・・と言うか・・・楽しめました!(笑)
今後は素敵な演奏の「音」も期待したいのですが・・・。
頑張って・・・楽しんで下さい。
by ユキタロウ (2011-09-25 06:29)
ユキタロウさん、いつもありがとうございます。
楽しんでいただけ、幸いです。(笑)
今どきこれだけ不思議な流通がまかり通っている世界を知り、
ほかにもチェロ購入を考えている方がいらっしゃれば
参考になるかと思い、長々と書いてみました。
音は、、、、がんばります。
ではでは。
by minima (2011-09-25 07:13)