庄司紗矢香に拍手! [クラシック]
演奏が終わると拍手がずーっと続いたのですが、ただ感動したのにとどまらず、このすてきな人とお別れするのが惜しい、という感じが場内に満ちていたためと思います。彼女も会心の出来だったのか、4曲もアンコール演奏をしてくれました。すばらしい一夜でした。
で、先日、BSで収録したチャイコフスキーの協奏曲のライブを観ています。CDも欲しいけど、彼女のライブの良さが入ったのって、あるのかしら。
ネトレプコの次は、ダニエレ・デ・ニースに決まり!!! [クラシック]
過去に録画した中にクリスティ指揮、ヘンデルの「ジュリアス・シーザー」でデ・ニースがクレオパトラを歌ったのが見つかり、見ていましたが、他のすべての役者を食うスター性はすさまじいものがありました。
ネトレプコはビジュアルでも表現できるようになった稀有なオペラ歌手でしたが、登場時よりは少しふっくらして、結婚したので、アイドル性は少々後退した気がします。ネトレプコの次は、デ・ニースの時代かも。
バーンスタインの弦楽四重奏に脱帽 [クラシック]
改めて手持ちのスメタナ・カルテットのレコードなど取り出して聴いていますが、何とも奥深い世界がありますね。ベートーヴェン、交響曲よりこっちが得意なんじゃないの?しばらくはまりそうです。
びわ湖ホールの「ばらの騎士」3重唱を聴きました [クラシック]
大津市のびわ湖ホールで来月のリヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」上演を前に、無料のロビーコンサートが行われたのを聴いてきました。最高、最高、最高!でした。演目はモーツァルト「フィガロの結婚」から伯爵夫人のアリア、ケルビーノのアリエッタ、マーラーの歌曲、そしてそして、「ばらの騎士」のフィナーレの3重唱でした。演奏は黒澤明子(伯爵夫人)、小林久美子(オクタヴィアン)、岡崎安希子(ゾフィー)、発熱でダウンの音楽監督に代わって冨平恭平(ピアノ、兼ファーニナル)。
歌手はいずれも美声、声量あり、音程しっかり、コントロール秀逸で、とてもよいと思いました。何しろ「ばらの騎士」の3重唱が聴ける機会なんて、あまりないですから、とても楽しく聴きました。来月の本番に、用事のためいけないのがとても残念です。いける人は、ぜひいくべきと思いました。それと、ピアノ伴奏でもしっかり「ばらの騎士」の世界を作り出していたのには感心しました。冨平さん、ナイスでした。ばらの騎士のフィナーレって、巨大なオケに負けないように声を張り上げたりピアニシモで繊細な表現をしたりで歌手がとても大変だと思うし、聴くほうも小さい音を一生懸命聴かないといけないのですが、ピアノ伴奏くらいだと歌手も聴き手も程よく聴けていいように思いました。もちろんオケ伴奏の魅力は格別なのですが。
会場のロビーは、ガラスと石に囲まれて風呂場のような硬めの響きがたっぷり乗って、フォルテがすぐに飽和するのが難点ですが、天井が高く容積が広いため、音質自体なかなか良かったと思います。歌い手が歌いやすいかというと、どうかな?あと、このホールの売りと思われる「エラール」のピアノの音も味わい深くて良かったと思います。150人くらいの観客は、みな一生懸命聴いていました。歌手の後ろのガラス越しに水鳥が飛んでいたり、遠くをフェリーが通り過ぎたりと、びわ湖畔ならではの楽しみもありました。
ばらの騎士は、手元にカラヤンの旧盤と新盤、クライバーのDVD新盤、それと年末に放送を録画したルイージ・ドレスデンがありますが、歌手が目の前で真剣勝負しているのを見る感覚は、生演奏ならでは。演奏者の皆さん、ホールの皆さん、お疲れ様でした。
それにしてもあれだけの規模のオペラハウスの運営は大変だろうなあ。できるだけ、聴きにいきたいと思います。
これぞLP収集の醍醐味「スペイン古音楽集成」 [クラシック]
宗教曲とか古楽を好きな人はていねいな性格なのか、LPレコードのコンディションもあまり悪いのにはあたったことがないのも、うれしいことです。
超激安のドヴォルザーク交響曲全集 [クラシック]
アンゲロフ指揮のドヴォルザーク交響曲全集を買いました。CD5枚組で1291円の激安でしたが、けっこうしっかりした演奏でとても満足。新世界や8番を聴けば、ドヴォルザークが秀逸なメロディストであることは明らかです。安い全集で一通り聴いてみたいと思っていたのです。そういう人には、太鼓判のお勧めです。聴いてみると、初期作品にもすてきなメロディがあふれていて、ほとんど注目されていない現状はあまりにかわいそうだと思いました。ま、ちょっと落ち着きのない構成という感じはありますけども、目をつぶります。
実は同時に、プレヴィン指揮のヴォーン・ウイリアムズ交響曲全集6CDも買ったのですが、こっちはドヴォルザークほどには気に入りませんでした。スカイラークやタリス幻想曲をイメージしていたのですが、ロンドンとか田園はまだしも、ほかのはどうにも、ね。こういう買い物は、あたりはずれがあるものです。
もうひとつ、ヴィラ・ロボスのブラジル風バッハも全集でほしいと思っているのですが、どれが良いのかまだ探索中です。(たぶん)バリトン・サクソフォンが活躍する作品が含まれていると思うのですが、それのぶっ飛んだ演奏がほしいと思って探しています。
LPレコードは不滅、かも [クラシック]
LPレコード末期の逸品にして、カラヤンの最高傑作のひとつが、Rシュトラウス「薔薇の騎士」です。こちらもきのう入手しました。大学生のときに持っていたのですが、CDに乗り換えるとき、あっさり売り払ってしまってあとで悔やんだレコードのひとつです。ようやく手元に帰ってきました。CDと兼用のちまちましたブックレットにはがっかりしましたが、しかたありません。ちなみにカラヤン晩年のデジタル録音によるオペラは、本作だけでなく、パルジファル、トゥーランドット、魔笛など、すばらしい演奏・録音が目白押しです。薔薇の騎士では、シュヴァルツコプフが出ているカラヤン旧盤の方が評論家の受けは良いようですが、私はこの新盤のほうがずいぶん良く思えます。クライバーのDVD(LD)新盤が歌手はもっと良いですけどね。
音は、最高に良いです。もちろん演奏も良いです。作者の意図も何も関係なく音を磨くことのあるカラヤンですが、Rシュトラウスにはそういう態度が正解だと確信させられる演奏です。実は、入手した状態ではブツブツと大きなノイズが聞こえ、非常に不愉快なコンディションでした。この曲は、はっきりいえば出だしのホルンの強奏が快いのと、最後の三重唱、二重唱がすばらしくロマンティックでとろけそうになる以外は、捨てても良いのではと思っていますが、最終面がブチブチいったので、卒倒しそうでした。
しかしレイカのバランス・ウオッシャーでクリーニングしたら、ノイズは消え、ベールをはいだように鮮度が上がりました。このクリーナーは、すごいです。これがある限り、LPレコードは不滅かも。
グールドもびっくり? Zenphの再創造って、うーむ、、、 [クラシック]
グールドのゴールドベルク変奏曲は新旧ともに愛聴していますが、最近出たSACDにはびっくりしました。旧盤の音源のキータッチなどをコンピュータ・ソフトZenph(ゼンフ)で解析し、自動ピアノに演奏させて録音したそうです。とりあえず買ってみました。
聴いた印象はとても複雑です。音質はとても良いし、演奏も聴き慣れた旧盤とうりふたつです。しかし気に入った方にはまことに申し訳ないのですが、時々、死人の手を無理やり動かして鍵盤を叩かせているような、いやな想像が頭をよぎって、ちょっぴり気持ち悪くなりました。また、演奏家が精魂込めて語りかけてくるという印象がなく、演奏家に向き合って聴く、という気構えになれませんでした。これらのネガティブな感覚は「再創造」という過程を知っているから起きるのか、それともZenphの解析にまだ不十分な点があるためなのか、私にはわかりません。ただ今後同じようなCDが出ても、飛びつくことはないように思います。
Zenph盤を聴いた後、LPレコードの旧盤を聴いてみました。そもそもモノラルですし、音質は今となってはほめられたものではないのですが、心に届く感じはZenph盤よりも上に思いました。これは聴き慣れていることも影響したと思います。グールドは晩年、音質の良い新盤も残してくれています。これがあるのに、わざわざZenph盤を聴く理由は、あまりないと思います。って、買った私はゲテモノ好きみたいだな。
というわけで現在、わが家には旧盤のLPとCD、Zenph盤のSACD、デジタル録音による新盤のLPとCDの5つの「グールドのゴールドベルク」があります。このほかに新盤には同時収録されたアナログ録音によるCDもあるそうなのですが、持っていません。アナログ録音による新盤のLPを出してくれたら、それこそ飛びつきますがね。高音質45回転重量盤希望。
アナログ末期の爛熟 インバルのマーラー交響曲第4番 [クラシック]
LPレコードの販売はCDの普及に伴って80年代半ばにはかなり減っていたと思います。しかし、それだからこそなのか、80年代後半以降のLPには良いものが多いようで、インバルのマーラーはその最たるものです。85年、すばらしい音響で知られるフランクフルトのアルテ・オーパーでの録音。B&Kマイク使用のワンポイント録音が売りで、一時期、ワンポイント録音への注目をぐっと高めるきっかけになったと記憶しています。実は補助マイクを使っていたなどとも言われており、真偽は私にはわからないものの、とてもすばらしい音質の録音です。B&Kマイクも、良いんじゃないでしょうか。
LPの音は、胸に迫る迫真性の点でCDに勝ります。特に第3楽章の美しさは、絶品というほかに言いようもありません。このシリーズの録音は、どれもとても良いと感じます。
インバルの演奏はすっきりと透明な響きで旋律を素直に歌わせ、とても良いと思います。時に情念がこもってこってりしすぎと感じるバーンスタインと対照的な演奏です。私はマーラーの中で好きなのは3、4、9番、次いで2、5、8、大地の歌なのですが、インバルの演奏で7番の良さにも開眼しつつあります。ちなみにマーラー1番は全然、面白いと思いませんし、6番は暗くてダメです。
バーンスタインの新盤のLPは希少価値も手伝ってか、オクでもとても高価になります。インバルはそこまでではないけど、安く入手するのは根気と運が必要かも知れません。激安で売られているCDの全集は本当にお買い得だと思います。
高音質盤の快楽 ネトレプコの「椿姫」 [クラシック]
新譜LPはほぼ絶滅状態ですが、ごく細々と高音質盤が作られています。マニアの財布を痛めつけ、煩悩を呼び起こす存在です。
2005年ザルツブルグのライブ録音。2枚組なのに全曲でないのが惜しいところです。とても気持ちよいサウンドです。ネトレプコは重く太めの美声で楽しめます。衛星録画した映像を見ると、とても色っぽいヴィジュアルです。ファンならレコードよりDVDをまず買うのが正解?(笑)
最新録音がこれだけ気持ちよい音なのだから、デジタル録音が悪いのでなくてCDというパッケージメディアにする過程で音をつまらなくする何かがあるのだと確信させてくれます。これに限らず、80年代後半から90年代のデジタル録音のLPには、良い音のがあります。
ほかに少々持っている最新高音質盤や、テラークはじめ往時の高音質盤も、またご紹介します。
全集を狙え!ディースカウのシューベルト歌曲大全集 [クラシック]
中古レコード購入のポイントのひとつは全集モノにあります。一枚あたりの単価が安くなりやすいこと、コンディションが良い場合が多いことからです。
ディースカウによるシューベルト歌曲大全集は3巻セット、全29枚の超大作です。激安で入手した上、ほとんどの盤が1回も聴かれてないのではと思うほど良いコンディションでした。
正直言って私はプライの声が好きで、ディースカウはいまいちと思っていたのですが、この演奏を聴いてディースカウの真価を知りました。まだ全部聴いてないような気がしますが、静かに声を聴きたいときの最高のレコードです。ただしリートのレコードはフォルテでびびりやすいので、ちゃんとプレーヤーを調整する必要がありますが。
このほかにもベームのモーツアルト交響曲全集(15枚)とか、バックハウスのベートーヴェン・ピアノソナタ全集(10枚)とか、ショルティとベームの「ニーベルングの指環」全曲(14枚と16枚)とかも入手し、楽しんでます。