イケメンのチェロ・デュオ「2 CELLOS」、度肝を抜く驚異の演奏なんだけど [チェロ]
クロアチア出身のふたりのイケメンチェリストがロックの有名曲をがんがん弾く「2CELLOS」は、あまりの腕っこきぶりに驚きあきれてしまいます。アップされている動画を初めて見たら、度肝を抜かれること請け合いです。
http://www.2cellos.com/jp/home
でもCDで残念なのは、録音や編集までまんまロック調なことです。さまざまにイコライジングやエコー付加などの加工がされていて、生チェロの音の良さがあまり味わえません。このふたり、音も悪くないと思うのですが、クラオタ兼オーディオオタとしては許せないレベルです。
自分のチェロはといいますと、牛歩で進んでいます。おととい2回目のレッスンでした。弓を持つ右手は、ちょうどうまく力が抜けて角度もばっちりで弾くと、別世界の良い音がするポイントがあることがわかりました。弦を押さえる左手は、手首を反り返らせるのをやめて卵を包むような丸い自然な形にするよう指導されました。ずいぶん良くなった気が自分ではしていますが、問題はなかなか体で覚えられないことです。
教室で使っている楽器はイーストマンというメーカーの、初級向けとしては普及している製品だそうです。けっこう良く鳴りますね、と知ったかぶりで言ったら、先生いわく、朝からずっとレッスンして(私は夕方)いるので、良く鳴るようになっているとのこと。楽器は使い始めは寝ていて、使っているうちに鳴りが良くなるそうです。ながらく弾きこむと鳴りの良い楽器に育つのは知っていましたが、一日のうちでも変化があるとは。やっぱり毎日ちゃんと練習するのが、楽器のためにも良いわけだな、たぶん。
きのうは初級者用のチェロを見せてもらおうと大手弦楽器店に行きました。安いのが15万円、あとは28万円、30万円、40万円、46万円。次が98万円で、260万円、みたいに倍々で上がっていきます。店員さんによると、20万円も40万円も、しばらく慣れたら満足できなくなるのはかわりがなく、次は100万超のクラスに飛ばないといけなくなるそうです。店員さんはとても親切でしたが、弦楽器店全般に初級者用は商売の埒外という雰囲気なのはしょうがないのでしょうなあ。
試奏できるか尋ねたら、弓で弾くと弾くほうに集中してしまうので、指で弦をはじいてくださいとのこと。確かにそれだけでも音の違いはよくわかりました。15万円のは一聴してダメ、28万円も美点を感じず。30万円と46万円は同じ東欧のメーカー製で、安いほうだけ聴くとそれでも良いと思いましたが、高いほうが明らかに音の凝集力や深々とした響きで上回っていました。40万円のドイツ製はそれよりも明るめの音色で、かなり良いと思いましたが、好みは東欧製の46万円でした。ただこの製品はもうひとつの個体もあり、傾向は似ていたのですが、意外に音色には個体差がありました。
ネットで見ていると、裏板が通常は2枚の材料から作られるのに、1枚からの削りだしという製品がときどきあります。違いを尋ねたところ、少し音が柔らかくなる傾向があるということでした。ただ普通は2枚板の方を勧めるとのことでした。
ほかにもハードケースや弓のことをいろいろ教えてもらいました。別注の高級エンドピンも売られていて、こういうのは音のしっかりした高級品で使うのが良く、安いクラスで使うと、エンドピンの音に支配されてしまうこともあるとのことでした。ナルホド、CDPやアンプの音がケーブルに支配されるようなものかな。店員さん、ありがとうございました。
自分の激安チェロは、メンテのおかげでかなり良くなり、普通に練習できるようになってきました。最近は倍音が激しく出るようになって驚いています。4つの弦のうち2つはとても良い音を容易に出せるのですが、あと2つは難儀しています。でも弾き込んだ後は少し良くなっているように思うので、とにかく弾くことが大事なんだろうと思います。ある方のブログにあった通り、15万円クラスの価値はあると思っていて、お店で聴いた15万円のに買い換えようとは全く思いません。
そういう中、どうしてチェロを物色しているかというと、弾きこんで弾きこんで楽器を育てて、自分も育っていくには、もうちょっと良い品物の方が愛着がわくし、行き詰まったときにも踏みとどまれると感じているためです。物神礼賛、他力本願。長文失礼。
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