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ブルーレイ音楽ディスク、SACDマルチの器楽独奏 [クラシック]

最近になって急速にディスクメディアの再生環境が整ったため、いろいろ音源を物色しています。

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ブルーレイで視聴するアバドのマーラー交響曲第9番は、絶品です。まず音はDTS HD Master Audioの5.1チャンネルで、とてもすばらしい音質のマルチチャンネルが味わえます。規格についていまいちよくわかりませんが、不満のないレベルです。
それに加えて、映像による説得力の上積みがものすごくあります。指揮者や奏者どうしが気合を合わせて、あるフレーズの終わりにちょっと音量を落として、次のフレーズを思い切り歌わせながらなだれ込んでいく様子、あるいは指揮者も奏者も観客も、ピアニシモの次にくるフォルテを最大限の緊張感を維持しながら待つときの空気、といったものは、これまで生演奏だけで味わえる醍醐味でした。しかし、ブルーレイの高画質、高音質のおかげでそのレベルが自宅に持ち込めるようになりました。こういうのは、音だけ聴いていてもすぐに聴き逃してしまうものです。
もとの演奏が名演なのに加えて、マーラーのスコアとアバドをよく理解したスタッフによる適切なカメラアングル、編集の力も加わって、最上級の演奏会に近い体験ができます。音だけのSACDには逆立ちしてもかなわない世界に到達しています。
ちょっと不思議なのは、このシリーズのマルチチャンネルは、第3番だけが5.1chのPCMで、あとはDTS HD MAのようなのですが、いったいどちらが高音質なのかしら。

映像があればよいかというと、決してそうでもないというか、むしろよけいな場合も多くあります。音だけで味わうSACDもまた、その価値はじゅうぶんにあると思います。
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お気に入りのヴァイオリニストのひとり、寺神戸亮の新作は、とてつもなく美しいです。テレマンの「無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア」は、これまであまり知りませんでしたが、バッハ、イザイからさかのぼる、「第三の無伴奏ヴァイオリン名曲」と勝手に位置づけてしまいました。バッハと比べると、あまり精神性といった単語は思いつかない、ひたすら美しい旋律と響きばかりが続く曲であり、演奏です。マルチチャンネルは、独奏曲でもよく聴けば役に立っていますが、2チャンネルとすごく違う、というほどではありません。それでも、ただ美しい音の洪水に浸っていられるのは、求道的に気持ちを高めていく2チャンネルとは大きく異なる点です。

これらと比べると、コンピューター・オーディオのハイレゾ音源は、ほとんどが2チャンネルにとどまっているため、ちょっと興味が薄れています。ただ、マルチチャンネルは安物の機械でもけっこう気持ちよく聴けて不満を感じにくいので、趣味および産業としては2チャンネルの方が続くのかもしれないなどとも、つらつら考えています。
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